「栗原、早く学校やめて病院に入院した方が………」

「うわぁぁぁぁぁ」

なにか言いかけた不良生徒の言葉をここで遮って、僕は握っていたハサミを投げた。

ーーーーーーブスッ。

今まで聞いたこともない、ひどく耳に残る音。分厚くて柔らかい肉を、包丁で深く突き刺さしたようなそれに近い音。

「いてぇぇぇぇぇ!」

その音と同時に、不良生徒が苦痛の悲鳴を上げた。

僕の投げたハサミが、不良生徒のわき腹に刺さったのだ。不良生徒のわき腹から赤い血が流れ、着ていた制服が赤黒く滲ませる。

「はぁはぁはぁはぁ」

その姿を見て僕の呼吸は荒かったが、なぜかうれしい気持ちもあった。