「………」

お尻に手を当てて触ると、なにかが刺さっていた。しかも、数本。

僕はそれを右手でつまんで抜いて、おそるおそる自分の顔に持っていた。

「えっ!」

僕の目に映った物は、画鋲だった。数本の画鋲がイスに置かれており、僕のお尻にそれが刺さっていた。

ーーーーーー悪質ないじめだ。しかも、こんな、くだらないことで笑うなんて………。

込み上がる怒りを抑えながら、僕は下唇をぐっと強く噛みしめた。

「ははは。今のお前の姿、最高!おもしろいから、写真でも撮っとこ」

自分の行動が正しいと言わんばかりに、昨日不良生徒はポケットから自分のスマートフォンを取り出した。そしてカメラ機能にして、写真を撮った。

「ウッ」

目がチカチカするようなまばゆいフラッシュに、僕は顔を腕で隠した。

僕は無視をしたままお尻に刺さっていた画鋲を全部抜いた後、イスに置かれていた画鋲も元にあった場所に戻した。そして、自分の席に座る。座ると、まだジンジンとお尻が痛む。