ーーーーーーガラガラ。

「席に着いて」

そのとき、また教室のドアが開いた。

教室に女性の声が聞こえて、生徒たちは慌てて自分の席に座った。

「………」

僕は汚れたカッターシャツを両手でパンパンと軽く払い、自分の席に座った。

「おはようございます。今日から、このクラスの担任を務めさせていただくことになりました。佐藤順子と言います。これから、新しく高校生活が始まる。みなさんの顔と名前を早く覚え、楽しいクラスにしたいと思っております」

佐藤順子というメガネをかけた、ふくよかな女性教師。見かけ年齢はおそらく五十歳は過ぎており、その女性教師が黒板に自分の名前を書いて簡単に自己紹介をした。