『3月21日《金》午後12時12分』



「ここから飛び降りたら、僕も美希さんと一緒の場所に逝けるのかな……?」

僕は教室の窓から下を見下ろして、そんなことを思っていた。あれから匿名掲示板サイトに投稿した犯人を一生懸命探したが、結局見つけることはできなかった。

「はぁ」

自然と、僕の口から深いため息が漏れる。

このまま美希さんの悪口をネットに書き込んだ犯人が見つからず、時間だけが過ぎていくようで辛かった。外は今の僕の気持ちを表しているかのように、冷たい雨が空から降っていた。まるで、空も泣いてるようだった。

美希さんが自殺して以降、裕也はずっと机に顔を伏せたままだ。となりのクラスの工藤友梨も、美希さんが自殺してから、すっかり元気をなくしている。

「この二人のためにも、ネット上に美希さんの悪口を書き込んだ犯人を見つけないとな」

僕はあきらめかけた気持ちを振り払うかのように、自分の顔を軽く両手でパンパンと叩いた。