「みなさんも知ってるとおり、佐伯美希さんが自宅マンションから飛び降り自殺をしました」

学校の朝礼が始まって、担任の佐藤先生が泣きながら僕たちに美希さんが自殺したことを説明した。教室にしんみりした空気が流れ、僕の瞳にまた涙があふれる。

ひとつだけ空いてる席を見ると、美希さんはほんとうにこの世からもういなくなったことにゆっくりと実家が湧く。

「美希さん……」

好きだった人の名前を呼んでも、彼女の声すらもう聞けない。


「美希さんが自殺した原因は、絶対インターネット上の書き込みなんだ」

放課後。今日一日の学校の授業がすべて終わって、僕は教室でインターネットの匿名掲示板サイトを閲覧していた。

『佐伯美希、哀れな風俗嬢www木村裕也のことが好きらしいけど、絶対に無理www匿名』

誰がこんなひどい書き込みをレス投稿したのかわからないが、この書き込みを見ると、僕の胸が苦しくなる。それと同時にインターネットを使った陰湿な卑怯な攻撃に腹が立つ。