『朝から、悲しいニュースをお伝えします』

僕の好きな女性アナウンサーが、沈んだ表情でカメラに目を向けた。僕は、このニュースが好きだ。

『昨夜未明、京都の自宅マンションから、女子高校生の飛び降り自殺がありました』

そのニュースを聞いて、なぜか僕の背中に悪寒が走った。

『女子高校生の名前は、佐伯美希さん。年齢は十六歳で、高校一年生です』

「………」

一瞬、なにを言ってるのかわからなかった。ただただ、僕の瞳に涙があふれる。

『以上、ニュースをお伝えしました』

ーーーーーー死んだーーーーーー。

ニュース番組が終わって、ようやく彼女が自殺した情報が僕の脳に伝達された。

「うそだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

見ていた夢が現実になって、僕は声を上げて泣いた。

現実が受け入れられない。悪い夢なら、もう覚めてくれ。

そう願ったが、痛みを感じる自分の体がリアルだと無情にも教える。