僕と美希さんは金閣寺から市バスに乗り、彼女が考えた今日一日のデートプランを今からする。つまり今日、僕と美希さんはデートするんだ。

美希さんが考えたデートプランは四条にある、ぬいぐるみショップでうさぎのぬいぐるみを買うことだ。その夜、鴨川で紅葉を見て終わる予定をしているらしい。すごくロマンチックなデートだと思うが、それを妄想するだけで僕の心音が大きくなる。

「私の死ぬ夢、まだ見てるの？」

僕のとなりに座っている美希さんが、わずかに首をかたむけて訊いてきた。その彼女の顔は、心配そうだった。

「いや、見てないよ。美希さんと会わなくなった日と同時に、その夢も見なくなったんだ」

僕は首を左右に振って、正直に答えた。

「じゃ、今日また、その夢見るかもしれないね」

美希さんが、からかうような口調でそう言った。

「え、どうして。美希さん」

僕は不安そうな表情で、彼女に訊ねた。