「ご、ごめん」

僕は、小さな声で謝った。

「いいですよ。未来さんは、絶対に来ると信じてましたから」

美希さんはにっこりと微笑みながら、僕の手をやさしく握った。彼女のやわらかい手の感触が、僕の手に伝わる。

「えっ!」

その彼女の行動に、僕は目を丸くした。それと同時に頬が一瞬で赤くなり、自分の心臓の鼓動がうるさくなる。

「美希さん………?」

彼女の名前を呼んだ僕の声が、緊張で小さかった。

「どうしたの?そんな顔して。今日はデートするんだから、手をつなぐのがあたりまえじゃないですか?」

〝デート〟という単語に思考回路が追いついていなかったが、彼女にそう言われた僕はすごくうれしかった。