「ごめんね、未来さん」

その日の学校の帰り道、美希さんが僕に謝ってきた。

「えっ!」

僕は、不思議そうな顔をした。

「私、お店の店長と、学校の担任の佐藤先生から色々聞いてたんだ。私のこと、ものすごく心配してくれてたんだって」

「あ、あたりまえじゃないか」

美希さんにそう言わて、僕は少し頬を赤くして答えた。

美希さんが学校に来なくなってから、僕はインターネットから美希さんが働いている風俗店のホームページのサイトを検索した。そして松岡店長にも、美希さんが今度いつ出勤するか同じ質問を繰り返して訊ねた。

ーーーーーー今思えば、僕の行動はストーカーだったかもしれないけど。

「ありがとう、未来さん」

「いえ、そんなことないよ」

僕は胸の前まで、両手を振ってそう言った。

僕のした行動に美希さんが笑ってよろこんでくれているのなら、それは、ストーカー行為じゃなかったと言える。