「でも、これだけ学校に来てないのですよ。心配とかしないんですか?彼女と、ちゃんと連絡は取っているのですか?どういう状況か知って……」

「栗原さん」

佐藤先生が大きな声を上げ、そこで僕の言葉を止めた。

「栗原さん。私たちも、一生懸命やっています。彼女のご自宅にもちろん連絡は入れています。ですが、当の本人が学校に来ない以上、私たちもどうすることもできないのです」

佐藤先生にはっきりとした口調で言われ、僕はそれはそうだと認めるしかなかった。

「それに栗原さん、この今の状況を冷静になって考えてください」

ため息をひとつこぼし、佐藤先生は僕に視線を向けた。

「高校にもなって、これだ学校を休むなんて普通じゃないんですよ」

ーーーーーー普通じゃない。

佐藤先生が軽はずみに言った言葉に、僕の眉がピクリと動いた。