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『8月29日《月》午後12時3分』



午前の授業も終わり、今は昼休み。午後からの最初の授業はホームルームなので、そこでまた、席替えをすることになっている。

僕は昼休みを迎えた瞬間、慌てて職員室に向かった。裕也に「どこに行くんだよ？」と、呼びかけられたが、僕は「ごめん」と言って、そのまま職員室まで渡り廊下を走った。

開いてる窓からツクツクボウシの独特の鳴き声が聞こえ、夏の終わりを告げている。

「失礼します。あの佐藤先生、ちょっといいですか？」

「なに、栗原さん」

僕の呼びかけに、佐藤先生が立ち上がってこっちに視線を向けた。

職員室には他の職員の先生たちもおり、自分のイスに座っていた。

「なに、栗原さん？」

佐藤先生が職員室から出て、僕に質問をした。

「佐伯さん。全然学校に来てないのですが、なにか知りませんか？」

「しばらく、休むしか聞いてないです」

僕の質問に、佐藤先生はそっけない口調でそう答えた。