バスを降りてから数十分ぐらい歩いたところで、これから僕が三年間通う、私立高校に着いた。

「ああ、入学式だるいなぁ」

「これから三年間も通うことになるんだから、入学式ぐらい休んでもべつにどうでもいいだろう」

「先生はどうでもいいけど、かわいい女性と一緒のクラスになりたいわ」

「それは、マジでわかる。絶対にかわいい彼女見つけて、高校三年間は青春するんだぁ」

校門をくぐると、髪の毛を派手な色に染めた僕と同じ制服を着た学生たちが楽しそうに話している姿が見えた。わざと乱れた服装をしているのか、シャツを出してボタンを開けている。おまけにガムを食べている生徒もいた。

学生服からはタバコの臭いがするのは気のせいではなく、しっかりと臭う。学校の規則を守って服装をきちんと着て、ボタンもひとつも開けていない僕はいじめの標的だ。

ーーーーーーこれから三年間も、高校に通わないといけないのか。

高校生活が楽しく送れるイメージができなくて、僕の表情が自然と暗くなる。