「夢の中では、彼女がなんで死んだかは言ってないの?」

「夢の中では好きな人の死の一部分しか見れてないから………」

「そうなんだ」

かなさんは、心配げな表情を浮かべた。

「でも、理由があるとしたら、インターネットの掲示板サイトの書き込みだと思うんだ」

推測だけれど、僕は掲示板サイトがなにか関係してると思ってはっきりとした口調でそう言った。

「書き込みサイトか……」

僕の話を聞いてくれる、かなさんは一言だけそう言った。

「夢ではネットの掲示板に私の秘密を書き込むなんてひどいと言われ、僕の目の前から姿を消すんだ」

そう言って僕は、ギリギリと奥歯を嚙み鳴らした。

「でも、君がネットの掲示板サイトに書き込んだわけではないんでしょ?」

「もちろん、僕は書き込んだりしてないよ。でも、彼女の秘密を知ってるのは、僕だけなんだ」

強い口調で否定したが、ほんとうに夢のように彼女が僕の前から消えることになると思うと視界がにじんだ。

「あまり深く考えるのは、よくないよ。ネットの書き込みは嘘も多いし、私も色々書き込まれたけど、全然気にしてないから。仮にそれが原因だったとしても、そんな書き込みに彼女さんは負けないわよ。ねぇ、そう思うでしょ?」

「うん、そうだね」

やさしい口調でアドバイスしてくれるかなさんだったが、僕の不安は完全に消えることはなかった。