「ほんとうに夢で見たとおり、美希さんは死ぬのかな?美希さんも、あの掲示板サイトに書き込まれてしまうのか………?」

バスの揺れが心地よく、睡魔が襲う。そのバスの車内で、僕は美希さんのことを考えていた。

美希さんと会えなくてなったのと同時に、彼女が僕の夢に出てくることはなくなった。

ーーーーーーほんとうに、彼女は死ぬのだろうか?

あんな夢は信じてないが、美希さんとしばらく会ってなくてどこか不安な気持ちも拭えない。

僕が乗車したところから数分走り、今は金閣寺の近くまで来ていた。

ーーーーーーピンポーン。

そこで、高い音が車内に響いた。バスがゆっくりとスピードを落とし、金閣寺のバス停で停車した。

外国人観光客が、荷物を持って次々にバスから降りていく。

金閣寺は京都の有名な観光名所のひとつだ。黄金に輝く、舎利殿。その舎利殿に周りの大きな池があり、幻想的に見える。四季折々の季節を楽しめ、一年中観光客が足を運ぶと言われている。しかし、べつに僕は興味がなかった。

この地域に生まれてからずっと住んでるため、なんとも思わないのだ。

「美希さんに会いたいなぁ」

実らない片思いだとわかっているが、僕は彼女に会いたい。