雨粒が、アスファルトを叩く。

「やっぱり、降ってきたか………」

バスを四十分ぐらい乗って目的地の京都の繁華街、四条通りに着くと、空から激しく雨が降り出した。道路を走る無数の車は、ワイパーを左右に動かしている。アーケードの中を歩く人々の手には、傘が握られていた。

「………」

僕はアーケードの中を歩いて、美希さんが働いている店に向かった。

「いらっしゃいませ」

いつも通り松岡店長が、笑顔で僕を出迎える。そして、待合室に案内された。

「今日は、誰にしましょう?」

「佐藤利恵さんで」

「申し訳ございません。利恵は、本日休むことになったのです」

「えっ!」

松岡店長の衝撃的な言葉を聞いて、僕は驚きの声を上げた。

「ど、どうしてですか?ネットのホームページには、今日出勤予定でしたよね」

僕は怪訝そうな表情を浮かべながら、松岡店長にうわずった声で訊いた。

「はい。たしかにそうでしたが、急な用事のため、本日はお休みになりました。誠に申し訳ございません」

そう言って頭を下げる、松岡店長。

「急な用事って、なんですか?」

「それは本人のプライベートのため、お答えできません」

ーーーーーーまぁ、そりゃそうだ。

「美希さん………」

僕の不安な感情が、一気に込み上がる。