「優太」

私は、ディスプレイに表示されている彼の名前を小さな声で口にした。

ディスプレイに表示されていたのは山田優太で、彼からLINEが一件送られてきた。

私は表示されている、LINEの新着メッセージをタッチした。

【昨日は、梢とデートできて楽しかった。梢の作ってくれた、料理めっちゃおいしかった。ありがとうな!】

絵文字付きの彼からのLINEの文章を見ると、涙腺がゆるんだ。

タイムリープすると、こんな大切な思い出がなかったことになるなんて辛いとしか言いようがなかった。

私はLINEを返信せずに、彼に電話をかけた。

タイムリープしてしまったら、こんなふうに楽しく優太としゃべれるかわからないからだ。だからタイムリープする前に、優太の声が聞きたかった。