会話とお酒を二人で三時間ほど楽しんだ後、優太の帰宅時間がやってきた。

「帰るの?」

私は、優太に視線を向けて訊いた。

もっと彼と一緒にいたいという気持ちはこの時間でさらに強くなり、別れが惜しい。

「ほんとうは帰りたくないけど、母親もほっとけないんだ。なんだかんだ言って、ここまで育ててくれたからな」

母親のことを思い出したのか、優太はしんみりと言った。

優太の言葉を聞いて、私はまた自分の母親を思い出した。

たしかにお酒ばかり飲んでいて嫌悪感を抱いていて大阪の実家を離れたが、母親のことも心配するときはある。

ーーーーーーその気持ちは、わかるよ。でも、もう少し私と一緒にいてほしいなぁ………。

彼と離れるのが辛くて、私はまたわがままになる。