「え!」

それを聞いた私は、思わず目を丸くした。

「京都駅で出会ったときから思ってたんだけど、その髪型とメイクがとてもきれいだよ」

そう言って優太は、私の方に視線を向けて言った。

開いてるアパートの窓から、やわらかな月の光が優太のはずかしそうな顔をてらす。

ーーーーーー気づいてくれてたんだぁ。

彼が私の変化に気づいていてくれていたことに、涙が自然と頬を伝って流れていた。

「優太」

私は、好きな人の名前を呼んだ。

「梢。俺は、いつまで好きなお前とこうしていられるのだろう?」

そう言って優太は、私の体をやさしく抱きしめた。

服の上からでも伝わる、彼の温かい体温。

「わからない」

私は、涙声でそう言った。でも、このまま時間が止まってくれたらいいなぁと思っていた。