京都駅から二分ぐらい歩いたところで、私たちは雰囲気のいい店に入った。

「いらっしゃませ」

店内に入ると、若い男性店員が私たちに声をかけてきた。

店内は若い人からお年寄りまで幅広い層のお客さんが食事をしており、アルコールの匂いやかすかに漂うお肉の香りが私の鼻腔をくすぐる。

「何名様でしょうか?」

若い男性店員にそう訊かれた優太は、「二名」と短く答えた。

「二名様ですね、どうぞこちらへ」

くるりと背を向けて、若い男性店員は空いている席に私たちを案内する。私たちは、男性店員の後ろに続いて歩いた。

「ありがとう、優太」

私は男性店員に案内されたテーブルの席に座って、目の前にいる優太にお礼を言った。

ガラステーブルにはテーブルクロスがひかれており、フォークとナイフとスプーンがていねいに置かれていた。