午後十二時三十五分。私は、約束した待ち合わせ場所の京都駅に着いた。

「よ、梢」

京都駅に着くと、優太が軽く右手を上げて私に声をかけてくれた。

優太は無地の白Tシャツを着ており、デニムのジーパンを穿いていた。

「ご、ごめん。待った?」

両手を合わせて謝りながら、私は優太の方にかけ寄った。

「いや。俺も今、来たところだよ」

優太は笑顔を浮かべて、やさしい口調で私に言った。

ーーーーーーほんとうは気を使ってくれたんだろうけど、そのなにげないやさしさが私の胸をキュッとさせた。

ーーーーーー優太の、そのやさしいところに、私は一気に好きになったんだよ。

優太と二人でこうして一緒にデートができるなんて夢のようで、私はほんとうにうれしく思った。

「じゃ、行こうぜ」

そう言って優太は、私の白い手をぎゅっと握った。

「えっ!」

彼のやわらかい手の感触が、いきなり私の白い手に伝わって頬が一気に熱くなった。

ドキドキと鼓動が速くなり、暑さのせいなのかきんちょうのせいなのか、私の白い手が汗ばむ。

私たちはそのまま、京都駅周辺にある、食べ物屋で食事することになった。