優太と一緒に行った場所は、大学の食堂だった。広々とした空間に、テーブルとイスがたくさん並べられている。
「お腹すいたろ、なんかおごるぞ」
「えっ!」
優太とこの会話も、私の記憶にしっかりと残っている。
「そんな、いいよ」
私は胸の前で両手をバタバタと振って、えんりょした。
「気にすんなよ。今、俺に付き合ってくれている、お礼だよ」
優太は名前のとおりやさしい笑みを浮かべて、私に白いトレイを渡した。
この優太のやさしい笑みも、この会話もしっかりと私には覚えがあった。
私は優太に昼食をおごってもらうことになり、空いてる席に向かい合わせで座った。
付き合っているのだろうか、食堂には学生の男女が一緒のテーブルで食事をしている光景が見られた。
ーーーーーー私たちも、きっとそう見られているんだろうね。
私は優太におごってもらった、カレーライスを食べながらそう思った。