「梢、やっぱり後悔してるんでしょ」

「えっ!」

光りがきえると、私はいつもいる講義室のイスに座っていた。

「戻った………?」

私は、目をパチパチしながらつぶやいた。

「ねぇ、訊いてる?梢」

「へぇ?」

声のした方に視線を向けると、詩織の姿が私の目に映った。

ーーーーーーどうやら、詩織とケンカする前に戻れたらしい。

私はもう一度友人の詩織に出会えて、ほっとした。

「でもだいしょうぶだよ、梢。今回は私たちと都合が合わなかっただけで、また飲みに行けるから」

やさしい笑みを浮かべて、詩織は私をなぐさめる。

「そうだね」

やさしい声で詩織になぐさめられて、私の気持ちが明るくなった。

「でも、ほんとうに犯人捕まってよかったよ。まだ死にたくないし、好きな人と一緒にいたいから」

その瞬間、詩織は好きな優太のことを思い出したのか、顔が真っ赤になった。

ーーーーーーその好きな人って、私と一緒なんだよ。詩織。

口には出さなかった代わりに、私は訴えるような目で彼女に視線を送った。