「………最低」

「えっ!」

「女に手を上げるなんて、最低って言ったのよ!」

私は泣きながら、神様の頬を平手打ちした。

「イタッ!」

神様は頬を押さえながら、うめき声を上げた。

「友人から好きな人をうばって、私は幸せになりたくない。ずっとひとりで生きてるあんたには、この気持ちは一生わからないでしょうね」

強い口調で言って、私はうるんだ目で神様をにらんだ。

完全な私の八つ当たりだ。好きだった優太から告白されたけど、詩織が死んですぐ別れを告げられた。そのせいで私は、神様にやり場のない怒りや悲しみをぶつけている。