「……また来たのか、女」

聞いたことのある声が、私の耳に聞こえた。

「………」

ぼんやりとした意識の中、私はうっすらと目を開けた。

私の視界に、こはく色の世界がどこまでも広がっていた。

ーーーーーー見たことのある光景だなぁ。

そう思って私は、声のした方に視線を向けた。

私の視線の先に、見覚えのある神様の姿が見えた。

「来たくて来たわけじゃないよ」

私は、そっけなく言った。

「せっかく好きな人に、告白されたのにか?」

神様は、不思議そうな顔で私に質問した。

「好きな人に告白されても、友人が死んだよ。このままだと、私は優太とは付き合えない」

「べつにいいじゃんか。友人が死んでも、自分が幸せだったら。〝恋愛〟ってそういうもんだろ」

見た目だけで言ったら私より十五歳ぐらい年下の神様が、知ったような口調で語る。