「どうしたの、優太?なんか、元気ないけど……?」

『……死んだ』

「えっ!」

彼の声ははっきりと聞き取れなかったが、不吉な予感が私をおそった。

朝日がゆっくりと昇り、暖かな陽射しが部屋に差し込んでいるのに、私はなぜか悪寒を感じた。

『詩織が、トラックに轢かれて死んだ』

「えっ!」

優太の今にも泣き出しそうな声を聞いて、私の頭の中が真っ白になった。

『昨晩、詩織が横断歩道を泣きながら走って飛び出したところに、横からトラックが突っ込んだんだ』

「そんな、うそでしょ………」

私は、震えた声で彼の言ったことを否定した。

『俺も、そう思いたい。でも、横からトラックに勢いよくぶつかって一瞬だったらしんだ』

優太の嗚咽声が、電話越しから聞こえる。

ーーーーーー私のせいだ。

私は、昨日初めて見た、彼女の泣いている顔を思い出した。