ーーーーーープルプル。

翌朝。私は、けたたましいスマートフォンの着信音で目をさました。ぼやけた視界の先に、いつも見ている白い天井が私の目に映った。

「もしかして、詩織から………?」

私はふとんから起き上がり、近くにあったスマートフォンを慌てて手に取った。

昨日家に帰った後、私はすぐに詩織に電話とLINEをした。しかし、彼女からの折り返しの電話もLINEもなかった。

私は、スマートフォンの液晶画面に視線を落とした。

「優太………?」

ディスプレイに表示されていたのは友人の詩織ではなく、恋愛感情を抱いている優太からだった。

私はディスプレイに表示されている電話マークを右にずらして、優太からの電話に出た。

「もしもし、優太?」

『梢か?』

電話越しから聞こえる優太の声は、力がなかった。