「もったいなくないよ。私、優太のことが‥‥‥」

「梢。この先生きたら、俺より好きな人なんてかんたんに現れるさぁ。だから、それ以上のことは言わないでくれ」

そう言って優太は、私をギュッと抱きしめた。

ーーーーーーこんなの嫌よ。私のことが好きなら、告白ぐらいさせて。自分だけ告白しておいて、私に告白させないなんて。

「梢、二つ約束してくれ」

優太が、静かにそう言った。

「嫌!」

私は、きっぱり断った。

「そんなこと言わないで、俺と約束してくれ」

優太は、静かな声で私に頼んだ。

「優太ばっかり言って、私はなにも言えないんだよ。約束する前に、私の気持ちを聞いてよ。優太」

「ごめん、梢の気持ちは聞けない。でも、俺の約束は聞いてくれ」

「バカ!」

そう言って私は、優太の胸を軽くポンポン泣きながら叩いた。