「少しがまんしたら、三人一緒に生きられる人生だってあっただろう。お前が私の忠告を無視して、何度もタイムリープしたからだ。しかたがないことだ。もうお前はタイムリープできないし、二人がいない現実を受け入れるしかない」

「そんな‥‥‥」

冷たく言った神様の言葉を聞いて、目のふちから涙がこぼれ落ちた。

「それに二人はもう、自分の〝死〟を受け入れてるぞ」

「えっ!」

私は、もう一度詩織に視線を移した。

私のうるんだ瞳に、一筋の涙を流している詩織の姿が見える。

「梢は、生きる資格があるよ」

そう言って詩織は、手の甲で涙をぬぐった。

「なんで?私に生きる資格なんてないよ!人を殺したんだよ!殺人と一緒のことを、私は二人にしたんだよ。私は、二人の命をうばったんだよ!」

そう言った瞬間、私の脳裏に斎藤の姿が浮かび上がった。

斎藤は警察に捕まって自分の犯した罪を償うが、私は罪を償うこともなく普通に生きてしまう。