「天国に行く前に、そこにいる神様に頼んで梢と会わせてもらったんだよ」

「えっ！」

驚きの声を上げて、私は神様の方に視線を向けた。

「お前も、一度死んだはずだろ。死んだ同士の人間なら、この世界では結び合わせることができる。ここは、〝死んだ人間〟しかこれない世界だからな」

神様は、私の胸に指さして言った。

神様の説明を聞いて、二人が交通事故で死んだことが現実なんだと突きつめられる。

「梢、俺たちのために嘘ついてくれていたんだってな」

優太が、やさしい声でそう言った。

「全部、神様から聞いたよ。私たちのために、うそついてくれていたんだね」

優太に続いて、詩織も笑顔でそう言った。

二人の笑顔を見ると、もう私に怒ってる様子はなかった。