「それで、詩織となに話したの?」

私は、ふるえた声で訊いた。

「清水は、俺のこと好きじゃなかったのか?」

私の質問を無視して、優太が逆に質問してきた。

「好きだよ、好きに決まってるじゃない!そんなあたりまえのことよりも、私の質問に答えてよ。優太」

私は、正直に自分の想いを口にした。けど、はずかしくなかった。今のこの私の想いを優太にわかってほしかった。

「じゃあなんで詩織の前で、『優太のこと好きじゃないから、詩織のその恋、おうえんするね』って言ったんだよ!」

怒った口調で言った優太の瞳には、哀しい色が浮かんでいた。

「それは‥‥‥」

それを聞かれると開いた口がふさがり、私はなにも答えられなくなった。

神さまの言っていたどんな人生でも一度は起こる、〝不幸〟が私の頭によぎった。