「なに‥‥‥言ってるの?優太」

私の口から、かすれた声が漏れた。

優太の言ってることが理解できず、私は不思議そうな顔をした。

「俺は、清水のすべてが好きだったんだ。そういう仕事をしていても、清水と一緒にいて楽しいと思えたから好きだったのに‥‥‥」

優太は切なそうな訴えるような目で、私を見つめた。

優太の今にも泣き出しそうな瞳が、涙で悲しく潤んでいた。

「なに言ってるの優太?私、うそなんかついてないよ!」

私は、すぐに否定した。

事実、私はうそなんかついてるつもりはなかったし、優太のことが好きだった。

「じゃあなんで、俺とのデート断ったんだ?約束してたのに‥‥‥」

優太は、トーンを落として私に訊いた。

「それは、その日に大切な用事が急に入ったの。私も、ほんとうは優太とデートしたかったよ」

「大切な用事ってなんだよ?約束していたデートの日と、そんな大切な用事がぐうぜん重なるのか?ほんとうは、俺とのデートが嫌だったから、てきとうに理由をつけてるんだろ」

優太は怪訝そうな顔で早口で私に問いつめた。