「優太、LINE見てくれた?」

私は、不安げな声でもう一度そう訊ねた。

「え、LINE送ったの?」

眉間にしわを寄せて、優太はズボンのポケットからスマートフォンを取り出した。

優太は手慣れた手つきでスマートフォンの液晶画面をタッチし、LINEのメッセージを確認した。

「うわ、ほんとうだ!ごめん。全然、気づかなかった」

LINEを確認した優太は、軽い口調で謝った。

まだ彼から、〝梢〟と呼ばれないのが不安だった。

「いいの。私も何度もLINE、送信してごめんね」

両手を胸の前で振って私は、空いている優太のとなりの席に座った。

優太はまた視線を落として、本の世界に戻っていた。

ーーーーーー夏休み明け、久しぶりに会ったんだよ。どうして、そんなに冷たいの?

不安の波がぐっと押し寄せ、私の胸が苦しくなる。