「優太からのLINE、返ってこないなぁ」

私は、スマートフォンの液晶画面に視線を落としてそうつぶやいた。

私が大阪から京都に帰ってきてから、すでに一週間が過ぎていた。八月も終わり、九月半ばを迎えた今日は、私の最後の夏休みの日だった。

私が借りているアパートの小さな窓からツクツクボウシの鳴き声が耳に聞こえ、夏の終わりを告げていた。

一周間前から優太にLINEを何件も送信しているが、ずっと既読無視が続いている。

「優太‥‥‥」

私は、不安そうにつぶやいた。

こんなに無視されることは、一度もなかった。今までならすぐに返信してくれていたはずだし、電話をかけても繋がらないないなんて初めてだった。

「どうして‥‥‥?」

また、私の口から不安な声が漏れた。

LINEや電話が繋がらないのは優太だけではなく、友人の詩織も一緒だったことになおさら私の不安が募った。