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「まもなく、大阪駅に到着します」

「ん！」

駅員のアナウンスの声を聞いて、私はうっすら目を開けた。

視界が明るくなり、私の瞳に大阪の街の景色が電車の窓から目まぐるしく見えた。

「着いたんだぁ」

一回大きなあくびをして、私は眠たそうな目を人差し指で軽くこすった。

電車が大阪駅に近づくにつれ、速度を落とし始めた。そして数秒後、電車が目的の大阪駅に停車した。

開いたドアから、私は乗っていた赤い電車を降りた。長い階段をのぼって、若い駅員さんに切符を手渡して改札口を抜けた。改札口を抜けると、大阪ならではの都会の光景が広がっていた。

京都と違って、高層ビルが建っており、総人口八百万人以上の大阪府は都会そのものだった。外を歩いている人も多く、かすかに漂う都会の汚れた空気がなつかしい。

「早くしないと、タイムリープした意味がない」

午後十二時二十分。私は左腕にはめている、腕時計に視線を落とした後、目の前にあるタクシー乗り場に向かった。

タクシー乗り場に停まっていたオレンジ色のタクシーを拾って、私は中にいた五十八歳ぐらいの中年の男性に行き先を早口で伝えた。

私が急いでいることを理解してくれたのか、五十八歳ぐらいの中年の運転手は運賃メーターを左手で押してタクシーを走らせた。