ーーーーーーブルブル!

そのとき、食卓テーブルの上に置いてあった私のピンク色のスマートフォンから着信音が鳴り響いた。

ーーーーーーきっと、優太からのLINEのメッセージが届いたんだぁ。

そう思いながら、私は目の前にあった自分のスマートフォンを手に取った。

ディスプレイに目を落とすと、LINEの新着メッセージが一件入っていた。

「やっぱり、優太からのデートの誘いだよね」

目に悲哀の色を浮かべながら、私はLINEの新着メッセージを確認した。

【夏休み入ったし、今日、梢とデートしたい。優太】

LINEの送信者は、やはり優太からだった。

「優太」

目に悲哀の色を浮かべたまま、私は彼から送られてきたLINEの文字を見た。母親のためにデートを断ると決めているからか、前の人生と違って、私は優太からのLINEの文字がただただ哀しく見えた。