「じゃ、タイムリープは、あと何回できるか知ってるの?」

私は、薄い桜色の唇を開いて訊いた。

「それは知ってるけど、教えられない」

「どうして?」

首を左右に振った神様の姿を見て、私はふしぎそう顔をした。

「タイムリープできる回数を教えるということは、直接人を助けることになるからだ。私は間接的に人を助けることをできても、直接的に人を助けることはできない」

そう言って神様は、私の首に下げているハートのペンダントを指さした。

「そうなんだ」

私は、ハートのペンダントに視線を落としながら小さな声で言った。

確かにいま私は、神様からあずかったハートのペンダントで間接的に助けてもらっている。本来斎藤に殺されて死んだはずだけど、私はハートのペンダントを神様からあずかって生きる運命に変えてもらった。