タイムリープ

「だから、そんな冷たいことが言えるんだね」

そう言うと神様は、「ほっとけ」と私に言った。

感情はないと言った神様だけれど、私のことは気にかけてくれるのはなんとなくわかった。

「もうわかっていると思うけれど、タイムリープは何回もできるわけじゃない。タイムリープは、新たに人生をやり直してるだけなんだ。だから、必ず一回は不幸が起きる」

「そう……なんだ」

神様の説明を聞いて、私はかすれた声で返事をした。

確かに今までの人生を思い返すと、タイムリープするたびに不幸が起きていた。

私は一回目の人生と二回目の人生と三回目の人生を思い出した。

一回目は殺され、二回目は友人の詩織が交通事故で死んだ。そして三回目は、優太とデートをしている最中に母親が末期の肝臓がんで命を落とした。どの人生も受け入れられず、私は何度もタイムリープした。そして、これから四回目の新たな人生を迎えようとしていた。