「おい!私の質問、無視するなよ。なんで、タイムリープするんだよ。好きな人とデートできて、お前は幸せになったはずだろ」

私の後をついて歩きながら、神様は不平を言う。

「やさしんだね、君も」

私はそこで立ち止まって、振り返って神様にそう言った。

「へぇ!」

私の言った言葉を聞いて、神様は不思議そうな顔をした。

「なんでそう思う?」

「だって、私の心配ばかりしてくれるから」

そう言って私は、神様の胸を指差して答えた。

「私は心配もしてないし、やさしくもしてない」

神様は、冷たい声で否定した。

「でも、私のことを助けてくれたじゃん。本来殺されてこの世にいなくなっていたはずなのに、こうして生きる運命に救ってくれたじゃん」

私は、明るい口調で言った。

「それは、お前が不幸のまま死んだからさ。優しさで助けたわけではない」

きっぱりと否定した神様の声は、やはり冷たかった。

「そう」

私は、目を細めて笑った。

目のふちに涙が溜まり、それが頬を伝って流れる。