私は、ぼーっとしていた。
好きな人の元クラスで、好きな人の元担任の授業をうける。
何だか不思議な気分だった。
マンモス校の分離、そして、好きな人との別れ。
何だか心を異常に抉られたような、何だか、痛くて寂しい気持ち。
友達も居なくて馴染めないクラスで、私は窓際を見つめる。
すると…
『…』
小指に糸が増えていた。
赤い糸。
しかも、凄く真っ赤で鮮やかな糸。
既婚者の先生(今の担任など)からも見える糸。
これは…結婚を意味する特別な赤い糸。
私は、学活の余った時間で読書をしていたのだが、固まった。
(一体、誰と繋がっているの?…)
そりゃ、そう思うのが当たり前だ。
運命の恋の相手。しかも、結婚が前提。
糸は未来を現す確実な物。
どうやっても、どうあがいても、結婚は確実。
誰だと思わない方がおかしいのだ。
私は、その糸の先を学校帰りに辿る事にした。