「あ……」

まだ頭にのせられたままの涼太の手の下からそっと逃れて、スマホを確認すると、亜未からメッセージが届いていた。

内容はどうってことない。今日の個人面談がどうだったか訊ねる文章が一文。

ただそれだけで、それが今送られてきたことだってきっと偶然。

それなのに、メッセージの送り主が亜未だと気付いた瞬間にほんの少し頬が引き攣った。

もしかしたら、今涼太と一緒にいることが亜未にばれたのかも。涼太と一緒にいることで、亜未に対してふと罪悪感を覚える。

きょろきょろあたりを見回して、あたし達と同じ制服を着た学生は近くに一人もいないことを確認する。

そしてようやくほっとして頬の筋肉を緩めた。

高校1年生の頃は、たまに涼太と二人で遊んだし、そのときのあたしは今よりもう少し楽しそうに笑ってたと思う。