言葉に詰まっていると、冴島先生が冷たい目であたしを見てきた。

「あれ、ないんだ? つまんねぇ女だな」

冴島先生がそう言って、あたしをバカにするように小さく鼻で笑う。

夢って……なかったら、ダメなの――?

あたしは目の前に座る彼を鋭い目で睨むと、勢いよく椅子から立ち上がった。その反動で、椅子が後ろにひっくり返る。

つまんなくて、悪かったわね! それが、学校の先生の言う言葉?

「失礼します」

あたしは怒りで震える拳をぎゅっと握り締めると、倒れた椅子をそのままにして教室の外に出た。

怒りで身体を震わせながら、そのまま下駄箱へと向かう。

「サユ!」

靴を履き替えるために腰を屈めたとき、後ろからぽんっと肩を叩かれた。

振り返るとそこにはヘラヘラとにやけた顔で笑う涼太が立っていた。