「俺も。どちらかと言えば宮坂さんと似たような感じかな……」
「え?」
突然そんなことを言う上原くんを、あたしは怪訝な顔で見上げた。
「ほら、進路の話。特にすごく行きたいとこがあるわけでもないって……」
上原くんににっこりと微笑まれて、あたしは自分が彼に進路について問いかけたことを思い出す。
似たような感じ。特に行きたいとこがあるってわけでもない。
上原くんのその言葉を聞いて、あたしは少しほっとしていた。
みんなそんな感じだよね。涼太が特殊なんだ。
「けど、涼太みたいにちゃんと進路決めてるやつ見るとすごいなって思う」
あたしの心でも読んだみたいに、上原くんが涼太の話題を口にする。
「そうかな……」
上原くんの口から涼太の名前が出た瞬間、あたしはなぜか反発心を感じた。
「あいつ、大学受験しないからって関係のない授業中ずっと寝てるでしょ?やりたいこと決まってるとしても、ふざけてるよ。すごくなんかない」
あたしが強い口調でそう言うと、上原くんは困ったように笑っていた。