「そうそう。資格取って、従兄《にい》ちゃんの店で修行させてもらう約束してんだ」

そう言って笑う涼太の表情は、希望に燃えてキラキラとしていた。

「へぇ。夢があるのっていいよね」

亜未がキラキラ笑う涼太に熱い視線を送る。

夢……か。

「専門学校行くつもりなら、なんで大学受験クラスを選択したの?勉強大変だし、わざわざ受験クラス選ばなくてもよかったんじゃない?」

あたしは、涼太のキラキラした表情と亜未の言葉に一人で勝手にイラついていた。

「別に、受験に関係ない教科を勉強するのが悪いわけじゃないだろ。それに、大学受験クラス選ばないと、サユと離れちゃうじゃん」
「バカじゃないの」

あたしがイラついていることに気付かないのか、涼太がヘラヘラと笑う。

どうしてそんな空気の読めない発言をしちゃうんだろう。涼太は何にもわかってない。

表情を歪めている亜未の気持ちに少しも気付かない涼太に、あたしはさらにイラついた。