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学校を出たあたしは、亜未達と遊んだあと夕飯を食べてから帰宅した。
部屋に入って鞄を床に置くと、高校の3年間で着馴染んだ制服を脱いで部屋着に着替える。
卒業式でもらった荷物を整理するために鞄を開けると、冴島先生に投げ渡されたピンクの包装紙がかかった箱が、床に飛び出すように転がり出てきた。
そういえば、何が入っているんだろう。変なものじゃないよね。
ドキドキしながら包装紙を丁寧に開ける。
すると中から、淡い色のビーズで飾られた金属製の長方形の小物入れが出てきた。
その小物入れの中には、ビニールの袋に包まれた色とりどりの可愛いキャンディーが入っている。
「わぁ」
ちょっと感動して小物入れの中からキャンディーを取り出すと、小さなメモがそこから舞い出てきて床に落ちた。
何の変哲もない小さなメモ用紙だ。拾ってみると裏に何か書いてある様子だったから、何の気なしに裏返してみる。
そこに書かれていた字を見た瞬間、思わずはっと息を飲んだ。