亜未に微笑み返すと、横顔に視線を感じた。

ちらっと隣を横目で見ると涼太に見られていたから、急いで笑うのをやめて顔をそむける。

たまたま顔を背けた視線の先に、女子生徒を中心とした人だかりができていた。

「何かあるの?」

女子の群衆を見ながらそう言うと、萌菜が眉を寄せて面白くなさそうにそれを睨む。

「大ちゃんだよ。さっきからずっと、いろんな女子達に写真せがまれてる」
「里見だって、散々写真撮ってもらってたくせに」

女子の群衆を睨む萌菜を見て、上原くんが苦笑いを浮かべる。

「そりゃぁそうだけど……」

萌菜はふてくされたように唇を尖らせると、女子の群衆から目をそらした。

萌菜の気持ちがわからなくもないあたしも、上原くん同様、苦く笑う。

それから、女子の群れの真ん中にいる冴島先生に視線を向けた。