「あ、紗幸希。いたいた!」

涼太と一緒にさっきみんなで写真を撮った場所まで戻ると、亜未が、萌菜と上原くんと共に歩みよってきた。

「ふたりでどこ行ってたの?」

亜未があたしと涼太を疑うような目でじっと見る。

「あ……えっと……」

そういえば、亜未もまだ涼太が好きなんだ。

どもって視線を左右にうろうろさせていると、亜未がぷっと吹き出した。

「冗談だよ。ちゃんと話したの?」
「あぁ、うん。まぁ」

あれが、ちゃんとした話だったのかはよくわからないけど。

涼太に向かって叫んだ言葉を思い出しながら、曖昧に頷く。

すると亜未はあたしと涼太を交互に見てから、「よかったね」と微笑んだ。

亜未のその笑顔が随分とすっきりして見えたから、ほっとした。