「じゃぁ紗幸希、行こうか」
亜未に促されて、冴島先生から彼女に視線を移す。
「受験生なんだから、遊んでないでまっすぐ帰れよー」
亜未と歩き出そうとすると、冴島先生が軽く釘を刺してきた。でも、その言い方にはあまり真剣味が感じられない。
本気で思っているわけではないけれど、一応言ってみたというような、そんな感じの言い方だ。
「はーい。さようなら」
亜未が軽い調子で返事して、冴島先生に手を振る。
亜未につられて振り返ると、冴島先生なこっちを見ながらゆっくりと唇の端を引き上げた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…