「じゃぁ紗幸希、行こうか」 亜未に促されて、冴島先生から彼女に視線を移す。 「受験生なんだから、遊んでないでまっすぐ帰れよー」 亜未と歩き出そうとすると、冴島先生が軽く釘を刺してきた。でも、その言い方にはあまり真剣味が感じられない。 本気で思っているわけではないけれど、一応言ってみたというような、そんな感じの言い方だ。 「はーい。さようなら」 亜未が軽い調子で返事して、冴島先生に手を振る。 亜未につられて振り返ると、冴島先生なこっちを見ながらゆっくりと唇の端を引き上げた。