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翌日の昼休み。教室でお弁当を食べていると、萌菜に呼び出された。
萌菜に連れられて、ふたりであまり人が来なさそうな空き教室へと向かう。
萌菜は空き教室の窓にもたれかかると、あたしの顔をじっと見ながら訊ねてきた。
「紗幸希って、大ちゃんと何かあるの?」
「え?」
昨日の放課後、冴島先生に抱きつく萌菜を見てしまったあたしは、動揺して落ち着き無く左右に視線を泳がす。
「やっぱり、何かあるの?」
そんなあたしの様子を疑いの眼差しで見つめながら、萌菜がやや低い声でもう一度そう訊ねた。
何かって、あたしは一体萌菜に何を疑われているのだろう。
「まさか! 萌菜が言ってる何かがどういう意味かはよくわからないけど、何もないよ」
顔の前で大きく両手を振りながら否定しても、萌菜はまだ、あたしに疑いの眼差しを向けてきた。
「ほんとに?」
「うん、ほんとに」