「ちょっと待って。みんな、何か誤解してると思う」

必死で主張したけど、誰もあたしの話に耳を傾けてくれようとはしなかった。

つい昨日まで、四六時中一緒にいておしゃべりしたり、ふざけて笑いあっていたはずなのに。その瞬間から、あたしは彼女達にとって『裏切り者』になってしまった。

常に向けられる、冷ややかな眼差し。当然、話しかけても無視される。

友人だったはずの彼女達の口から、あたしが『裏切った』という噂がクラス中の女子にあることないこと広まって。気付くとあたしは、教室の中でいつも一人になっていた。

それは中学を卒業するまでずっと続いた。

最初は一人でいるあたしを気遣ってか、香川くんがよく話しかけてくれた。

だけど彼が話しかけてくれればくれるほど、あたしはミワ達に冷ややかな視線を向けられた。

『裏切り者!!』

あたしに向けられる、ミワ達の視線。それが怖くて香川くんに素っ気無い態度をとり続けていると、そのうち彼も話しかけてこなくなった。