文化祭後の打ち上げで、あたし達のクラスは全員でファミレスにごはんを食べに行った。
そこにはもちろん涼太も参加していたけれど、彼は常にあたしから離れたところに座っていて、一度も目を合わせようとはしなかった。
文化祭のあとは2日間の休みがあって、それからまたいつもどおり学校が始まる。
打ち上げのあと、あたしの傍を離れた亜未は涼太に話しかけに行っていた。
たぶん、帰り道で涼太に告白するつもりだったのだと思う。
2日間の連休中、亜未はその告白に関することであたしに連絡をしてこなかった。
亜未の告白を聞いた涼太は、どんな表情を浮かべて、どんな答えを彼女に返したんだろう。
休みが明けたあと、なんとなくそわそわした気持ちで教室に足を踏み入れる。
教室に入ると、まず一番に亜未と目が合った。
笑いかけようとすると、いつもならあたしを見つけて駆け寄ってくるはずの亜未が避けるようにすっと視線をそらした。
その視線のそらし方に妙な既視感を覚えて、あたしの鼓動がほんの少し速くなる。
わけもなく不安を感じながら自分の席につくと、しばらくしてから亜未が歩み寄ってきた。
亜未が近づいてきたことで、あたしはようやくほっとする。